私たちウィルダネス メディカル アソシエイツは、人里離れた過酷な環境下で活動する人々へ向け、30年以上に渡り実践的な医療を教え続けてきました。
それぞれの医療トレーニングのレベルに見合った、即興、状況に合わせた応用、そして合理的な判断、それを行うのに必要な技術と洞察力を提供できるように、私たちのカリキュラムの核心部がデザインされています。
私たちの名前から分かるように、私たちのルーツは山や砂漠、そして海にあります。しかしそれ以外のあらゆる場所、例えば病院までのアクセスに時間がかかる状況や、まったくアクセスできない状況においても、我々の教育理念やトレーニングの考え方は有効であると証明されています。「ウィルダネス状況下」という定義はアラスカの沿岸沖にある漁船にはそのまま当てはまりますが、都市部においてもライフラインが絶たれた時には当てはまります。
プレホスピタルの現場人員をトレーニングすることで、直面する如何なる問題に対しても彼ら自身で評価を行い、また処置計画が立てられるようになる;WMAはその様な考えを設立以来ずっと推進してきました。会社の創始者Dr. Peter Gothは、脊椎評価テストの基準、アナフィラキシーへの処置、創への先進的な処置、医療プロトコルを唱え、30年以上も前にその考えはアウトワードバウンドスクールの指導者やウィルダネスガイドのファーストエイドトレーニングに取り入れました。ここで注目すべきことは、処置の根底にある医学的原則をコース受講者が理解できる、そう彼が主張しているところです。これには医療業界のメインストリームから多くの反発があったことは事実です。しかし彼の主張は今までに存在したどんなものよりも理にかない有効的だった為に、彼の唱えるプログラムは広く普及していきました。
今日に至っては、ウィルダネス医療トレーニングは世界中で普遍的な存在となり、またプロトコルの内、幾つもが救急医療のメインストリームへと組み込まれています。それまでは、評価などの医学的判断が野外現場でも必要とされるのに、その適用を不合理に制限する風潮が存在していました。しかし野外の医療現場にそんな余裕がないことに我々は気が付いたのです。そして今、医療のメインストリームの中でも人々はそのことを学び始めたのです。それは危険な野外救助活動や大規模災害の混乱の中に最も顕著に見ることが出来ます。既存の医療システムが活用できなくなる状況やそもそもの機能が停止してしまった時の為に、プレホスピタルの現場人員が自ら考え行動できる能力を、我々が提供しなければいけません。
私たちは必然的に“医療の聖域”を排除し、そして古くからの常識に挑戦したのです。野外現場での医療で何が必要かを考えてきました。ウィルダネス医療トレーニングを支持する諸研究者もいますが、彼らは様々な環境下への有用性を得ること(それは我々も取り組んでいることですが)だけに焦点を絞り過ぎている気がします。さらに、ウィルダネスに関係する問題について議論を交わす有名な情報媒体でさえ、実際に野外で問題をどう解決するかについては多くは触れていません。なぜならば、それは科学的な検証が難しい分野だからです。
私たちは独断的にメインストリームから逸脱することはありませんが、しかしそれが必要とされる時に私たちは躊躇をしません。私たちの意見と立場は臨床経験に基づきます。それらは今日利用可能な科学的知識の慎重な分析、危険で困難な野外現場で医療ケアーを行う現実性につき合わせたものです。我々のミッションは医療のメインストリームを変える事ではなく、その枠外で多く活動をする人々へ指針を提供する事です。
(Wilderness Medical Associates International WEBより)
●日本での歴史
日本では、2007年に財団法人 日本アウトワードバウンド協会や2011年からウィルダネス ファーストエイドに関する地域団体など招致開催を行ってきました。2011年に日本人のインストラクターが誕生し、それまで通訳を介して開催されていた講習が日本語で開催されています。2012年には、Wilderness Medical Associates Internationalの日本窓口であるWilderness Medical Associates Japanが設立され、2013年10月に一般社団法人格を取得し、日本各地で講習を開催しています。