地元は東京・浅草。チャキチャキの江戸っ子である私が一番最初に「登山」というものを体験したのは、小学校4年生の時。父親から「今月から月イチで登山に行こう」と誘われ、最初に向かった山は奥多摩の棒の折山。景色が良かったとか、辛かったとか、そういうことは覚えてないけれど、「登山にはチョコレートだ」と父親がくれた明治のチョコが美味しかったことだけは覚えている。
この月イチ登山はこの1回で終了(笑)。
そこから月日は流れ、小学生から始めたバレーボールをきっかけにトレーナーを志した私は、中京大学体育学部に進学。学生トレーナーを経て、スポーツジムに就職。その後フリーランスとして大学アメフト部や高校陸上部のトレーナーなど、選手を支える側として奮闘してきた。その当時は、スポーツ現場で使える救急法などはトレーナーとしての最低限の知識として学んではきたけれど、特に使うような場面もなく、定期的に資格更新のために勉強をしていた程度。
そんな私がトレイルランニングに出会ったのは25歳の時。それ以前にも滝が好きで山には登っていたけれど、自分の体力や走力さえ培えば、登山よりも限られた時間の中で自分の行きたい場所に行けるトレイルランニングは「最高の移動手段だ!」と考え、どハマりした。
ありがたいことにトレイルランニングを通して様々な出会いや機会をいただき、国内外いくつかのレースでは優勝や入賞などの成績も納められるようになっていた。
そして今は、結婚を機に移住した栃木県・日光で、夏はトレイルランニングやトレッキング、冬はスノーシューのガイドとして活動をしている。
トレイルランニングのガイドというのは、国内でも珍しいのではと思う。
練習会やグループランなどはあっても、山を走って案内するガイドとしては国内初かな(?)と思う。
登山よりも軽装で軽量な装備で進むトレイルランニング。その分、何かあったときは限られた装備を駆使し、解決へ向けて進んでいくしかない。
そんな時に、この野外救急法の知識はどんな装備よりも重要で役に立つと感じている。自分がこれを知っているか知らないか。それだけで目の前の人を救えるかもしれない。
全ての野外で活動するガイドには、知っておいてもらいたい知識だと思い、少しでも野外救急法が広まってくれることを願って、この度WMAのアンバサダーとして活動させていただくことになりました。
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星野さんに出演してもらったポッドキャスト:
#33:雪崩事故現場の遭遇から学ぶ、救助現場で一歩が動く勇気
星野さんが運営されるアウトドアショップ”Ametsuchi”