前田 由加(YUKA)・前田 一樹(KAZ)


YUKA: Blue Moon代表

KAZ:株式会社 シー・テクニコ代表取締役社長 

Yuka

 沖縄のさらに南と西の果て・八重山諸島に生息して四半世紀弱。普通の人より海中で過ごす時間が多くなってきた海属性のガイド、現役・現場にこだわるダイビングインストラクターです。また陸に上がれば難解な離島のツアーを引率する現地添乗員、時々英語通訳ガイドと地域コーディネーター。

 水陸両用ガイドを目指し始めた矢先にアドベンチャートラベルの流行りに遭遇しWMAJと出会い、世界のスタンダードとしてこんなものが存在しているのか?!という衝撃と、海の上にいても陸にいても、自分のいる大半の時間がウィルダネス状況下であることを認識し、それにどれだけ対応できるかの必要性を感じる日々を過ごしているうちに沼にハマりました。

 毎年のように起こる身近な水難事故と、備えや努力の甲斐なく失ってしまった命を背負っていくガイド仲間を身近に感じつつ、「どうしたら良かったの?」の答えのない答え探しのヒントをWMAに見出し、ダイビングインストラクターや通訳ガイドとして学んだCPRとAEDの「極論の救急救命」のちょっと手前にある「意識あるけどまずいよね?!」案件、「起き得るけど、どうしたらいいのかよくわからない」事象にフィーチャーしたロジカルな思考(クリティカルティンキング)に感銘を受けました。

 これはプロでなくとも遭遇してしまう上に、救急車に繋げるのに数時間を要する島嶼部で活動する方々にとって、また災害が起きると助けが来るまでに時間を要するエリアの誰にとっても「無駄にならない」知識と経験であると確信しています。後悔のない対処をしていくのは、答えのない答え探しに近いですが、その中でも間違った選択を行わないためにも多くの方々に身につけて頂きたく、アンバサダーとして広く普及させて頂きたいと思っております。

 

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 KAZ

 静岡県は清水市三保にて産まれ、富士山を見上げながら育ちました。小学校入学を期に父の事業(無人島での施設やマリンアクティビティ運営)の為に家族で沖縄本当へ移住。小学校3年生より、セーリング競技とダイビングを始め、学生時代は家業でアルバイトしながら海への憧れを醸造し続け、大学でも競技を続けるために海洋学部に入学しました。文字通り海に囲まれヨット三昧の青春を過ごしましたが、ガイド業が稼げない日本の現状を知り、卒業後は神奈川のシステム系の会社に就職しました。転機が訪れたのは数年後、父が2年間かけてヨットでの世界一周旅行を開始することになり、代わりに家業を担うため八重山諸島の離島へ移住し、海系インストラクターとして活動してきました。

 毎年のように海難事故の起きる沖縄のマリン業界で、良きガイド仲間に恵まれながらも、例外なく様々なトラブルを経験してきており、島嶼エリアの医療体制や緊急搬送へのロスタイム、死に直結する状況でのCPRやAEDの意味、意識がある場合はゲストの判断と診療所の医師に頼るしかないような状況を目の当たりにしてきました。

 

 そんな中、ガイド仲間より耳にした「ウィルダネスファーストエイド」という考えに出会い、絆創膏とAEDの間にある何かをクリアにできる術として受講を決意しました。創始者の属性とストーリーに共感し、カリキュラムの内容に驚愕し、インストラクターの方々の知見に感動をして、これこそ自分たちのエリアに必要なものとして普及させていきたいと感じ、アンバサダーとして活動させていただくこととなりました。