茶谷 奨(Sho Chatani)

WMAJ医療ファカルティ・精神科医・WALS国際野外救急医


 大阪市内で生まれ育った私はあまり野外活動とは縁無く医大生になりましたが、大学6年生時にスクーバダイビングを始めたのが大自然との付き合い始めでした。大学卒業後は大阪市内の総合病院での初期研修を経て精神医療の分野に進み、精神科救急を専門にしながら石垣島を中心とした海には足を運び続けていました。30歳を過ぎてから、かねてバイクツーリングの際に横目で見ていた大峰山脈に登ってみたいと思ったのがきっかけで登山を開始すると、あっという間にのめり込んでそのまま毎週のように方々の山に通うように。積雪期の穂高なども単独で通い、今思えばずいぶん危なっかしい登山者だったのではないかと思いますが、その後山岳会に所属してクライミングを開始すると、特にアイスクライミングに心を惹かれて最近では冬場は毎週のように日本中の氷瀑に通うようになっています。

 

 WMAとの出会いは、山行中に偶然出会った怪我人の手当を仕事柄手伝ったりしている中で、自分の知識や技術を活かすのが難しいことを実感し、2012年に御殿場で開催されたWilderness Advanced Life Supportコースを受講したのが初めでした。コースは5日間の充実した内容で参加者が非常に多かったこともあり、皆で知恵を絞りながら最後のシミュレーションまでこなせたのが良い思い出です。同期受講者とは今でもFacebookなどで連絡を取りながら一緒に山に登ったりもしています。

 

 残念ながら自分の周囲では山中での事故が少なからず起きており、WMAでの学びを実践することになったことが何度かあります。また本職でも災害派遣精神医療チーム(DPAT)の隊員を拝命し、限られた情報下でチームをコントロールする際にシミュレーションでの経験が活きています。

 

 

 今回WMAの医療アドバイザーをしてもらえないかというお話を頂いた時、山岳医療を専門としているわけではない自分が適任なのか悩みましたが、野外活動者と医療者の橋渡しとなり、多くの人にWMAのスピリッツを伝えるお手伝いが出来るならと考えて、微力ながら引き受けさせて頂くことにしました。野外活動者目線でのお話も出来ますし、野外医療を専門とされている先生方にはさらにご指導を頂いて、より充実したコースを多くの人にお届けできればと思っています

 

 

 受講者の皆様にはコースなどでお会いできればお気軽にお声かけ下さい。アイスクライミングのパートナーも常時募集中です!