災害時に考える外傷への対応

ケガは「安定or不安定」で評価を。虚血に注目して不要不急な救急要請を減らそう

 

※ぜひ拡散を

 

通常であればすぐに受診ができる病院も大規模災害が発生すると救助機関、医療機関も例外ではなく機能不全になる場合があります。

大規模災害の現場において「捻挫、骨折、打撲」などの用語はあまり重要ではありません。ケガの心配すべきことは「患部から先の虚血(血が通っていない、神経が圧迫されている状態)」です。

まずはケガの部位をよく観察します。ケガの部位に負荷をかけても機能が使えるものは「安定」、すでに使えない状態のものは「不安定」なケガとして分類します。

特に不安定なケガについては患部から末端が虚血になっていないか、あるいはならないかをよく観察しましょう。

皮膚の色が蒼白、末端がピリピリしたり疼く感覚などは虚血のサインです。虚血が起きたら2ー4時間以内には病院へかかれるようにしましょう。(言い換えれば虚血が起きていなければ少し時間的猶予がある、とも言えます)

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安定したケガは、痛みを取る処置と観察

 

不安定なケガは、患部を安定化そして快適にするための固定や痛みへの処置、そして虚血になっていないか観察が必要です。(病院へ行けるのであれば病院へ。)

 

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大きな災害になるといつも以上にケガなどへの心配も増えるものですが、落ち着いて対処するように心がけましょう。

これらのケガは時間と共に患部が腫れて悪化傾向になる場合があるので長時間の避難生活では観察を怠らず虚血が進んだ場合はすぐに医療機関へ通える段取りを組みましょう。

 

 

野外災害救急法WMAJapan